■葡萄の樹にも個性がある
ワインの原料は、葡萄です。多くの場合、同じ産地(例えば、山形県産や山梨県産など)で栽培された葡萄を一緒にワイン造りに使用します。しかし、ワインの中には、ひとつ畑に限定し、その畑で栽培された葡萄のみを使いワインにしたものもあります。
その畑の風土。育てた人。その畑がならではの葡萄の樹の個性を体感できるワイン。
葡萄、そしてワインは、自然の恵みによってもたらされているものだと感じられる、
葡萄農家さんとワイナリー、渾身のワインです。
■樹齢70年おじいちゃんの葡萄の樹
山形県上山市にある「タケダワイナリ―」。15ヘクタールの自社農園を持ち、その他の原料となる葡萄も地元山形県産葡萄を使用してワイン造りをしているワイナリーです。タケダワイナリーでは、通常葡萄畑ごとにワインを醸造し、製品化する際にブレンドしていますが、ひとつの畑から収穫した葡萄のみで造ったワインがあります。それが、「ドメイヌ・タケダ マスカットベリーA古木」。現社長の岸平典子氏の祖父にあたる3代目武田重三郎氏が、大正時代に植樹したマスカットベリーA種の葡萄のみを使用したワインです。
樹齢70年を越えた葡萄の樹は、積雪の多い山形の冬の厳しさを物語るように、雪の重みで樹は傾き曲がりくねっています。まるで龍のようなその樹は、今ではタケダワイナリーの畑の中で最も古いものとなりましたが、今でもとても上質な葡萄の実をつけてくれるそうです。
そんな、ワイナリーが大切に育ててきたマスカットベリーA古木。その古木の葡萄の実だけで造られたワインが、「ドメイヌ・タケダ マスカットベリーA古木」なのです。3代目重三郎氏が植えた葡萄の樹の個性が詰まったワインです。
■ワイナリーの古木のような葡萄の樹を目指して
タケダワイナリーは、地元山形の葡萄農家が栽培する、山形県産葡萄を使用し、ワイン造りをしています。その葡萄農家の中に、山形県天童市の花輪農園があります。花輪農園の葡萄は、当店でも販売している「サン・スフル赤辛口」にも使用されており、上質の葡萄を栽培されている農家さんです。
その花輪農園の4代目花輪周一郎さんは、タケダワイナリーの古木の葡萄畑を見たとき、
「この古木のような葡萄を作ったら、自分の作った葡萄だけを使ったワインを造ってくれるだろうか。」
と思ったのだそうです。
その思いの中には、葡萄生産者としての誇りとやりがい、そして葡萄そのものの価値を高めたいという気持ちがありました。
より高品質なワイン用葡萄を目指した花輪さんは、樹の剪定や収穫時期など、栽培の仕方をいちから見直しました。タケダワイナリーの岸平社長に相談しながら葡萄作りをすること3年。2014年に収穫した葡萄から、ようやく単一畑の葡萄のワイン造りができました。
花輪農園の花輪周一郎さんが作った「マスカットベリーA」で醸造したワインが
【タケダワイナリ― KAMIOGINORO843-5 赤 樽熟成】
■KAMIOGINORO?
商品名の「KAMIOGINORO 843-5」は、葡萄畑の住所です。
「サン・スフル赤」に使用されているマスカットべりーAは、
花輪農園をはじめ、山形県天童市の上荻野戸(かみおぎのと)地区で栽培されています。
その上荻野戸地区の「843番地5」が、花輪周一郎さんこだわり葡萄畑。
その単一畑で栽培された葡萄のみで醸造したワインという意味をこめて、
「KAMIOGINOTO(かみおぎのと)843-5」
このワインは、「ドメイヌ・タケダ マスカットベリーA古木」と同じ製法で造られました。
果実を厳しい目で選別し、酵母添加せずに野生酵母で醗酵。その後、フランス産のオーク樽におさめられ、地下のセラーで熟成しました。
その仕上がりは。初め、甘やかで、ほのかな香ばしさが漂い、ふくらみが増すと、華やかさと微かに樽の香りを感じます。タンニンや酸がやさしい、柔らかい口当たりです。
伸びやかで、若々しさも感じる味わいは、クリーミーな洋食やチーズと合わせたり、
醤油やみりんを使った和テイストの料理もおすすめです。
■製造元:有限会社タケダワイナリー(山形県上山市)
■品種:ベリーA種(山形県天童市産上荻野戸 花輪農園)
■アルコール分:10%台
■タイプ:赤の辛口タイプ
飲み比べをお楽しみください。
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